ラーメン屋
『醤油の細で。あと生にんにくね♪』
最後にお店に行ってこう注文したのは、
いつだったろう。
7月になってもまだ涼しかった折、
土曜日にかみさんが出掛ける用事ができ
『昼は適当にするから、。』
心の中では久しぶりにラーメン屋に行けると
いう気持ちでウキウキ。
昼前にお店に向かう。
。。え?あれ?お店は?。。
汚れた白壁の建物だけ残して、中身の
お店が無くなっていた。
目の錯覚か?。。
自動車でぐるっ、、もう一周、、、
やはりないものはない。
跡形もなくお店が消え失せていた。
自分の目が信じられず、しばし呆然。。
私にとって最後には必ず帰ってくる味の
ラーメン屋。
故郷の鹿児島のラーメン屋よりも
落ち着ける味だった。
後日、googleMapで見ると、
『閉業』
の文字が。
もう大将も引退の時期だったのか。
病気を患ったのではないか、
何かしらの事故に見舞われたのではないか。
愛着が深いお店だっただけに色々と心配を
抱いてしまう。
でも手掛かりはどこにも無い。
ぼつんと、、置いてきぼりにされた気分だ。
これから、こうやって突然の別れが訪れる
機会が増えるのかも知れない。
切ない事だ。