箱根の思い出
ネット上でたまたま箱根の山の写真を
目にした。
思わず懐かしい過去を思い出す。
もう何十年前になるのだろうか。
親父が展覧会の審査員として上京して
きた折、箱根の強羅温泉に連れていって
くれた事があった。えらく高級そうな
歴史深い趣のある宿だった記憶がある。
その温泉宿に向かう途中、
箱根山が綺麗に望める場所にスケッチに
連れていかれた。
親父がやおらスケッチブックを取り出し
さらさらと山の輪郭を描き、、、
水彩絵の具でさらさらと色付けを始め、、
へえ~、、と感心している横で、
『おまえも描けば?。。』
と描かされた。
その時が学生時代以来、初めて絵筆を
手にした機会だったような気がする。
目の前に広がる広大な景色とは似ても
似つかない風景画。。思っていた以上に
うまく描けない自分に呆れてしまい、
途中から半分ヤケな気持ちで描き殴って
いたような記憶がある。
その時に描いた水彩画だが親父に
言わせると
『色の使い方がウマイ』。。
自分ではあまりそうは思っていません
が、そうだったんでしょうかね。。
親父なりに息子の背中を押してあげた
かった一言だったような気がする。
山そのものの形がへんてつもない
のっぺり、、とした形の山である。
描くのは敬遠しがち。。
でも時を経て目にすると感慨深い思い
がわいてくるから不思議だ。
そのネットに載っていた箱根山を
スマホで見ながら久々に水彩で描いて
みた。
さらさらっ、、と描いたは良いが
『あの頃よりも下手になったかもね。』
と言われそうな気もする。。
『どうなのよ?』。。
もう答えが返ってくることはない。
でも自分の趣味には定着した気がする。
まだまだ自己流。
これからも前進あるのみ。