彼女は安楽死を選んだ

日曜日の夜9時はNHKスペシャルの
テーマを毎週チェックしている。
先週の番組のテーマは凄絶だった。

彼女は安楽死を選んだ



前半の15分ほど見逃してしまったが、
後半30分ほど身動ぎもできず、見入って
しまった。
私と同年代の女性の方、たぶん生きる事が
相当に辛い神経性の病気だったのだろう。
日本からスイスに渡航し、自死させてもらう
事への誓約書に自筆でサイン、知り合い?と
最後の晩餐。
翌日朝、ベッドに横たわり、
点滴の針を刺され、薬剤が容器に注がれて、、
自分の体に薬剤を流し込むスイッチを自分で
ひねる。。

見ている間に穏やかに気を失う様に絶命する
までの一部始終を静かに映像だけで追って
いた。

安楽死が許されていない日本に遺骨が戻る
事はなく海に散布されたというナレーション
と共に元気だった頃の彼女の遺影が映されて
番組に幕が下りる。

日本ではどのような事情があるにせよ、
積極的な死は許さない、という倫理観が
根強くあり、安楽死は認められていない。

それはそれで真っ当な考えであり、
否定するつもりはない。
ただ、苦しみながら延々と無理矢理生かされる
のと、まだ楽な内に穏やかに死を迎えられる
選択肢があるのと、、

どちらが人にとって幸せなのだろう。

誰にも等しく死は訪れる。
生前にいくら大勢の人に囲まれていようが
死ぬ時には自分ひとりだけで逝く。
海外まで足を運んで安楽死を望む人がいる
限り、自分の生き方と死に方を自分で決める
選択肢は日本の国レベルでもっと真剣に議論
されても良いのではないかと思う。



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