コクリコ坂から

先週の放送で「コクリコ坂から」を見た。

妖怪が出てくるわけではない、トトロが
出てくるわけでもない、勇ましいヒーロ
ーが出てくるわけでもない。
可愛い少女と凛々しい少年の青春の物語
(過ぎ去りし帰らざる日々?、、)がメ
インテーマとしてはあるが、地味な部類
の作品だと思った。

でも魅力ある昔の風景描写はさすがジブ
リならでは。
昭和30年代前半が時代背景。土が剥き出
しで埃っぽい道路、雑然としているが活
気ある商店街、ラジオからは九ちゃんの
「上を向いて歩こう」が流れ、昔懐かし
い気持ちをかきたてられる。

そんな中、学生が使っている倶楽部会館
が老朽化してきたので取り壊す、という
話が持ち上がり、

「たとえ老朽化しても良いものは良い!
 残すべきだ!」

と学生が団結して立ち上がり直談判の末、
勝利を勝ち得る。

このストーリー展開を見ていてつくづく
思った事がある。

今の日本は古き良きものの価値よりも
ピカピカに輝く最新鋭ものばかりを指向
する。わずか数年の内に都市整備計画の
名の下、昔の街並みは根こそぎ姿を消し、
見知らぬ街に変貌する。

今から30有余年前、渋谷の叔父の会社事
務所に間借りして上京後の生活が始まっ
た。その頃の雑然とした渋谷の街並みが
私は好きだった。
駅から出てハチ公前の交差点を渡った所
に"ランブル"というクラシック音楽喫茶
があった。お世辞にも小綺麗な感じとは
言えない店だったが、その小汚さが逆に
しっくりと馴染んで入り浸っていたもの
だ。
今では渋谷に立ち寄る機会すらないが、
立ち寄りたいと思わせる魅力も無い。
駅前の巨大な電飾スクリーンなど騒々し
いだけ、、まったく要らない。。
あんなものがあるから日本から原発が無
くならないのではないか。。。

鹿児島の実家周辺もすっかり別の街にな
ってしまった。一昔前、再開発計画とや
らの話が出てきたと思いきや、あれよあ
れよという間に風景が変わった。近所の
刑務所跡地には鹿児島アリーナが建設さ
れ、民家は強制的に取り壊されて、その
代わりに新築物件を公共機関側から無償
で提供され、その後、道路が無計画に作
られた。。。
生まれ故郷なのに、未だに歩いて道一本
間違うだけで方角に迷ってしまう。
確かに色々と生活が便利になる事は良い
事だ。街並みが綺麗になる事も良い事だ。
でも懐かしい風景、好きだった風景が跡
形も無くなるのはとても寂しい事だ。

年齢を重ねる毎に古き時代の思い出を懐
かしく思い返す機会が増えてきている昨
今。

今年帰省したら博物館にでも寄ってみよ
うかな…。思わぬ懐かしい風景と出会え
るかも知れない。
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