クラシック音楽が好きになるまで
「クラシック音楽を聴きたいんですが
何から聴けばいいですか?」
こういう書き込みをネット上で見かける。
ネットなど無い時代に、
私自身、何をきっかけにしてここまで
好きになったのか。。
昔の事から順に思い出してみた。
①ピアノの練習
元小学校音楽教諭の母親に小さな頃から
ピアノを仕込まれた。
イヤでイヤで仕方なかった。。。
小学2年生あたりで『ツェルニー』の何番か
を練習している時に母親が入院。
才能無しなんだな。。!と早々に練習を
自己打ち切り。。
残念な事をした、と今では思う。
白鍵と黒鍵の並びと音程だけは今でも
ソラで覚えている。
②鼓笛隊、器楽部
小学生時代の音楽授業でのレコード鑑賞の
時間が何よりも楽しみだった。
小学生の頃には太陽国体に向けて鼓笛隊、
それと器楽部にも入っていた。
『アルルの女』を取り上げて練習していた
ような気がする。。
「オーケストラがやると、こんな曲
なんだよねー。。」
と言いつつ先生がかけたレコードの演奏を
聴いて、、
「うんめー!!😍」
総員でざわざわ!!
目から鱗だった記憶が未だに鮮明に残って
いる。
③FM放送
中学生になってモノラルのラジカセを
両親に買ってもらった。
FM放送なるものが世の中にある事を初めて
知った。
#これこれ!このモデル…
色々な音楽がラジオから流れてきたが、
作曲者とか演奏者とか、あまり気にかけず
に聴いていた。
今思えばチャイコフスキー4番の冒頭部分を
初めて耳にしたのも、確かこの頃。
金管が奏でる出だしの旋律に思わず総毛立つ
思いをした憶えがある。
誰の演奏だったのだろう。。
④生演奏会
親父に連れられて鹿児島で一度だけ生の
オーケストラの演奏を聴きに行った。
確か鹿児島の地方交響楽団(管弦楽団?)
の定期演奏会。
その時に聴いた"新世界"の感動的な演奏の
光景は未だに忘れない。
⑤ステレオコンポ
高校生になってSONYのステレオコンポを
買って貰った。
レコードを買わなきゃ!、、、
自宅にレコードは一枚も無し。
独りで天文館のレコード店に入る意気地も
なく、実家の近所の小さなレコード店に
行った。でも何を基準にレコードを選べば
いいのか?さっぱりわからず。。
初めて買ったレコードはベートーヴェン
作曲の第3番"英雄"(クルト・マズア指揮
ゲヴァントハウス管弦楽団)
#ジャケットデザインはまさにこれ・・
当時最先端の4CHステレオ用のレコードと
いう帯の宣伝文言につられて購入した。
最初聴いた時には「なにこれ?」だった。
この1枚のレコードを文字通り擦り切れる
程、繰り返し聴いた。数十回聴いた頃、
突然目の前が開けたような気がした。
「なんて素晴らしい曲だったんだ!!」
⑥友との出逢い
それから暫くした高校一年生の確か秋、、
2人のクラシック好きの級友から声をかけ
られて、その2人が持つ知識豊富な話を聞く
に連れて一気に自分の目の前も広がったよ
うな気がした。
カラヤン、ベーム、アバド、ブーレーズ、
マゼール、バーンスタインなどきら星の
如く、燦然と輝く指揮者達がクラシック界
で当時現役で活躍している事、
レコード芸術、音楽の友なる冊子を教えて
もらって夢中になって読んだ。
#店頭での立ち読みの常習犯…
作曲者の知識、演奏者の知識を得ていき、
クラシック音楽の奥の深さと広さ、曲に
対する演奏者のこだわりを知るに連れて
どんどん、音楽の魅力に惹きつけられて
いった。
級友と出会う事がなかったら今とは全く
異なる音楽観を持っていた事だろう。
⑦それから
ショスタコーヴィッチの音楽が好きだ。
限定された交響曲だけでなく、歌劇、協奏
曲と聴く曲の範囲も広がった。
その他、
ワーグナーも好き、
ブルックナーも好き、
ベートーヴェンも好き、
シベリウスも好き、
マーラーも好き、
モーツァルトも好き、
新ウィーン楽派の音楽も好き。
多分まだ知らない音楽は世の中に数多残さ
れている。
クラシック音楽というだけで敬遠する人が
いるが決して大袈裟でも堅苦しい音楽でも
ない。
クラシック音楽の素晴らしさを知らない
人生だなんて。。