第16番になり損ねた交響曲

ショスタコーヴィチの交響曲は第15番まで
ある。そんな事、クラシック音楽を知って
いる人にとってはもはや常識。。。?

最近、交響曲全集も増え、すっかり市民権
を得た感のあるショスタコの音楽。
でも15曲ある交響曲を全て好き、という人
は果たしてどの位いるのだろう。。

第2番、第3番など若きショスタコが共産
主義国家から無理強いされて作ったとしか
思えない、、第15番なども第1楽章までは
面白いのだが、第2楽章になると死の観念
に強くとらわれたのか、急に元気も覇気も
失われる。。

全曲に馴染むにはなかなか到達しない。
でも私にとってはこよなく愛する作曲家の
1人である事は間違いない。


『ミケランジェロの詩による組曲』

というショスタコ最晩年の曲がある。

未だにこの曲をほとんど誰も取り上げよう
としない。ネット上で検索しても市販のCD
をほぼ見かけない。世間から忘れかけられ
た存在になる。

自分がこの曲を知ったきっかけは過日、
図書館でたまたま目についたから。。
何とも安っぽいな感じのアルバムジャケッ
トを装い、ラック棚の片隅にひっそり置か
れていた。

家に持ち帰り、プレイヤーにセット、、

衝撃的!!..どころか

『なんだ?これ。。』だった。。
今から20年ほど前の事。

次の日には図書館に返却しにいった。。

それから時が経ち、長年取っ付きにくかっ
た第13番、第14番をようやく好きになり出
した頃、この組曲をもう一度聴いてみよう
と思った。

トーマス・ザンデルリンク指揮
ベルリン交響楽団

曲の雰囲気は交響曲第13番そっくりだと
思う。14番に似ているという人もいるが、
14番のように極限まで楽器編成を縮小化
はしていない。

転調する時のストリングの音色に、
ぞくぞくっ!。。
とさせられる第13番の進化形という感じ
の曲。

文献を読むとショスタコ本人も16番目
の交響曲にしたかったらしい。

自分の余命幾ばくもない事を知り、ピアノ
伴奏の歌曲として発表。その後、オーケス
トレーションを施したが初演を聴く事なく
1975年に永眠。

ミケランジェロもショスタコも時の権力者
に翻弄され、粛清されかねない危険を犯し
ながらも我が創作芸術の道を貫き通したと
いう共通点があるのだという。

その強い精神力にこそ惹かれる。
だからショスタコの音楽を私は好きなのだ。


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